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[コメント] ありふれた教室(2023/独)

教訓のあるような、ないような物語にも思えるが、「わかっている」積もりの危うさを描いたようにも思える。
シーチキン

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







学校という特殊な世界において、自分は上手くやれていると感じている、少なくとも受け持っているクラス、生徒たちのことは自分が一番よく知っているし、その保護者たちや、気安く話せる同僚のこともわかっている、と若い教師は思っているのだろう。

しかしそれは幻想に過ぎなかった。

教師の程よい手綱さばきに素直に従っていたように見えた生徒たちは、腹の中では、言ってみれば、教師の顔を立ててやっていただけであり、クラスのことや学校のことはそんなには知らないだろうと思っていた保護者たちは、実はSNSなどでの繋がりと情報交換をしていた。

そんな状況では、かん口令を敷いてとりあえず落ち着かせられたと思っていた教師たちが、思っていもなかった現実に直面させられて、あたふたと右往左往するのは当然かもしれない。

その慌て振りを傍から見て楽しむ、そんな人の悪い映画が本作ではないだろか。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] セント[*]

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