[コメント] オッペンハイマー(2023/米)
登場人物が多く、話の構造が複線的でごちゃごちゃとわかりにくいところはある。それでも核兵器のない世界と、ある世界の違いを知りぬいた人物としてのオッペンハイマーを演じたキリアン・マーフィは立派だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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これは要は、第二次大戦直後からアメリカの核開発を担った原子力委員会のトップで、自らオッペンハイマーを招聘したロバート・ダウニー・Jrが、
水爆開発をめぐってオッペンハイマーと意見が異なり対立し、それがために米上院だか下院だかの公聴会で恥をかかされたことを根にもって、
オッペンハイマーを委員会から追い出すために、その過去の共産主義者との交友などを暴露して、機密アクセス権を剥奪することによって委員会から謀略的に放り出したものの、
その後、彼がいよいよ念願の閣僚になれるかどうかという場面で、その悪行を暴かれ科学者から信頼されていないと批判されて、野望が潰えた、という話があって、
その中で、オッペンハイマーが査問を受ける中で1940年代から原爆開発へ、そして水爆開発までの頃を回想していく、という物語になっているのね。
こういう、時制をいじってわかりにくい話にするところは、いかにもクリストファー・ノーラン監督らしいと思う。そういうところはあっても、オッペンハイマーと、核兵器開発に対する監督の真摯な姿勢はしっかりと伝わってきた。
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