コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] シン・ちむどんどん(2023/日)

底の浅い佐喜真淳の傀儡ぶりには呆れるが、以前、沖縄で乗ったタクシーの運転手さんは「基地返還と騒いでるのは元地主だった奴ばかり」「自分の子供たちは基地の仕事で生活している」と彼なりの“沖縄の現状”を訴えていた。そんな固定票も確実に存在するのだろう。
ぽんしゅう

映画の後半は辺野古問題の“勉強”に費やされる。元々、県民は極東最大の米軍基地である嘉手納飛行場の返還を求めていた。それがいつの間にか米国の誘導で普天間基地返還にすり替えられた。しかも、その代替として資金難のため米軍が建設を見送っていた辺野古基地を、日本に金を出させて再開することができたのだ。そう説明する沖縄国際大学の先生の話は初めて聞いた。事実だろうか。ずい分となめられたもんだ。

沖縄県民は常に基地問題は沖縄でなく本土の国民の問題だと訴える。そのとおりだ。問題を突き詰めると「日米地位協定」に行き着き、その改定を一言も言い出せない政治家の怠慢に至り、さらにその政治家を選び続ける本土の有権者の無知無責任という雲を掴むような話となて拡散する。そして、この話はいつもここで行き詰る。本作もまたここで途方にくれる。溜め息なのだ。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)DSCH ペンクロフ[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。