[コメント] ラストナイト・イン・ソーホー(2021/英)
鏡を介した彼我の混同の演出がかなり凝っていて(どうやって撮るんだろう)、主役二人の良さもあって見入るのだが、にしてもヤング向け(死語)劣化マルホランドドライブの域を出ないなあ、このまま逝くのだろうかと思っていると、
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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中盤でわかりやすい方向にギアチェンジする。でも、それでは結局意味なかったのでは、という残尿感が甚だしい。主客の境目を壊し尽くし、狂気の淵を天然で完走する後期デヴィッド・リンチの偉大さが痛感された。
性的搾取と男性嫌悪で壊れるお人形さんの描写、という点では『反撥』を想起したのだが、刃物で喉を裂く生々しい触感もいまひとつだし壁が割れて無数の手、というのも本家を超える強度はない。総じてライトである。(あ、監督さんの名前もライトですね)
※ 『反撥』については公式に監督がオマージュだと言及しているようですね。投稿後に確認しました。しかし、脱構築でないならオリジナルを観ればいいわけなので、やはりプラスアルファが欲しいという感想は変わりません。
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