[コメント] 新聞記者(2019/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
日本の長期政権は長期ならではの弊害をもたらしている。多くの弊害の中で問題視されるのは、超法規的な人事というのがある。自分を後援してくれる人物ないしは組織に有利にことを運ぶようになっていた。一応これに関しては純粋に法的な意味ではギリギリ合法なのだが、ところどころギリギリを逸脱する部分もかあって、それが国会で常に問題視される。
そんな中、不正入札に焦点を当てた作品が作られたということだけで充分凄いことなのだ。勿論この内容はフィクションだが、明らかに狙った感があるし、インディーズとは言ってもよくこれが公開できたというだけで充分。
そしてよくこの作品に松阪桃李が出演したと言うのもある。今や若手俳優では頭一つ抜きん出てる松阪が着実にキャリアを積むならば、こんな冒険はすべきではないのだが、敢えて冒険に踏み切ったその姿勢には敬服する。そして松阪だからこそ評判と評価を得る事が出来たという事実がある。見事な起用だったし、それに乗った松阪の判断も正しかった。
ただ、私に言わせると、作品自体としての評価はさほど高くはならない。基本会話中心に展開していく物語は映像化の意味があまりないし、演出もテレビドラマ程度。更に小声で喋るシーンが多いために会話が聞き取りにくいという弊害もあって集中力が必要。しかも物語の進行が遅いので退屈。
強いて言うならもう一つ。杉原の自宅がほんものの高級マンションってのは違和感あり。国家公務員がこんなのに住んでるって、一体どんな稼ぎか足してるんだと、妙な邪推が入る。
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