実録もの名乗りから始めて途中まで割と無力で痛い展開がリアルだからこそ、逆に「さあタイマン・リングが整いました」に俺は萎えた。洗面台を回るアクションがスタイリッシュであればあるほど、「『野良犬』のラストなんかエモーションまで泥まみれのぐっちゃぐっちゃなのが、絵面として逆にスタイリッシュでよお」みたいなオッサンのくだを巻きたくなるのだが、まあアクション・スターはみんなこういうフランチャイズで地位を獲得してきたのだ。韓国の若い人に受けているならそれでいいと思う（えらそうだな）。一方、日本の若い人たちはもはやこういうのに見向きもしない感じがあって、オッサンとしては職場で映画のくだなんか巻けたもんじゃない（ますますえらそうだな）。あいつら、葬送のフリーレンとか見ちゃってるんだぜ（俺も見てるけどな…！）。