[コメント] 夜空はいつでも最高密度の青色だ(2017/日)
余りにも生真面目な当節の若者たちの決意表明。映画から才覚というものがまるで感じられないのだが、あえて凡庸を選ぶ姿勢を取ったということなんだろうか。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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年収200万円で請求書の束を被るとか、腰が駄目になったら辞めなきゃならない工事現場の臨時雇いとか、現実は描写されるが向き合いはしない。向き合うという発想がない。そして職場を去ったり都合よく死んだりする。流されることにばかり生真面目なのだ。
映画は終盤、こんな累積ではなくて、路上で歌っていたお姉ちゃんがメジャーデヴューしたことを示すデコトラで感動させようとする。私にはここがとても間抜けに見える。主演ふたりがこれを空々しく驚いてみせるショットはとても空疎だ。人生を感動させるものはもうブラウン管の向こうにしかない、なんていうニカルが意味を持ったのはもう半世紀も前の話だろう。それを今更、気づいていないように撮るシニカルとは何なのだろう。
詩人の無骨で生真面目な現状への呟きはそれなりに記録されたが、別にユニークでもない。これがキネ旬1位とは弱い。後年に本作を見直して何が発見できるだろう。
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