「弟」のところがちょっと都合よすぎなのと、フランシスという名の老囚人とのキング捜査官との関係とか、ちょっともう一ひねりほしい部分もある。それでも想像していたよりもずいぶんと「上質」の映画だった。

なんか一見まじめな職業、実は「裏の顔」が･･･なんて枠組みだけ見たら、もっと派手にドンパチやって、敵を容赦無用に殺しまくり、適度にお色気があって、そんな例えるならジェイソン・ステイサムや、少し前のニコラス・ケイジあたりが主演の映画にありがちなタイプの映画かと思った。

そしたら、精神的に不安定な会計士クリスチャンという男を、ベン・アフレックがしっかりと演じていたから驚いた。「魅力的」という訳ではないのに、この会計士が好きになった。

主人公の少年時代の話、家を出て行く母親、泣き叫ぶ主人公、厳しい父親、そんな家族を見つめる弟。かなり時間を割いて力を入れて描いている。

ドラマ部分、ベンアフとアナ・ケンドリックとの関係のところと、もうひとつＪＫ・シモンズと女分析官の二人のシーンとか、ものすごく心地よかった。そういった部分が、他のドンパチ映画とは一線を画していたと私は感じた。