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[コメント] トム・アット・ザ・ファーム(2013/カナダ=仏)

被った屈辱がセクシャリティの一環として解釈し直されると屈辱が消えてしまう。相手の昂奮を誘引した自分に優位性が出てくる。嫌悪感を中性化しようとするこのような作用は全編に渡って見受けられる。
disjunctive

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







母親がより高い狂気を発動させることで兄貴の狂気が相対化される。こうなっては以降の場面で彼の凶状が発動しても恐怖の効果がない。かかる中立化が事態に順応するトムの主観の反映と思わせておきながら、後半ではトムの心理に視点は回帰して順応という解釈を拒絶する。事を社会心理に還元したくない興行精神の振る舞いがあるように見える。

(評価:★4)

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