[コメント] 複製された男(2013/カナダ=スペイン)
映画を見終った人むけのレビューです。
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冒頭で息子に母親から電話がかかり「お前もぶらぶらしていないで、そんなだったら将来が不安だろうに、、」なんて言われてる。別に世間でよく聞く普通の電話会話である。
そしてその彼は大学教授らしくて哲学めいた内容の授業をしている。は?、ぶらぶらしている男には見えないね。と少し違和感もあるが、そのうちこのことは忘れてしまう。
そしてこの教授が一応主人公となり、ビデオで全くそっくりの男を見つけることからこの謎の物語が始まる。DNA鑑定等必要でないほど、この二人の男は傷跡まで全く一緒なのだ、、。
この映画はごちゃ混ぜパズルを丹念に置き直していく映画である。その割にはとても不親切であることから、いくらでも脇道に逸れるように仕組んである。そこがどちらかというと憎たらしい。
冒頭の電話が事実だとすると、本物人間は売れない役者風情と身重女の話になるんだろうなあ。映画で主人公面している教授と教授の愛人は三流役者の妄想ということになる。しかしそれでも細かいところでいろいろつじつまの合わない部分も多い。
と、まあこの映画は観客を楽しませる映画なのである。自分の生きて行く自由を奪う象徴として蜘蛛を使ったりちょっと幼稚じみたところもある。(そんなに女が怖いのかねえ。ハイ、もちろん怖いデスが、、)
まあ、一見の価値はある映画ですが、製作者の意図が少しあざといような気もしました。安部公房の「他人の顔」まで出現するし、真夏の夜に見る謎解きパズルも結構いいものですよ。
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