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[コメント] 複製された男(2013/カナダ=スペイン)

意味深。巧妙な作りで引き込まれて納得させられて、でも最後までどういうことかわからない。答えを求めてはいけないのかも。カオスの世界の面白さ。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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久しぶりに伏線に気付けず、それどころか時間軸や関係すら明確にもできない。あとになってなるほど!ってなることもあったけど核心には至らず、多くの解釈と発見がある。何気ないセリフやシーンが意味を持っていて、またその見せ方表現の仕方にも無駄がない。深いと言うべきなのか、はたまた一体どういうことかよくわからないのか、とにかくよくできた作品であることは間違いない。

特に終盤の盛り上がりはよかった。伏線自体がやや曖昧なものも多く、その伏線を拾うのだが答えはまだほかにあるような気がしてしまう。だから互いに違う恋人と接触するあたりからは目が離せなかった。そして作中にも度々登場した蜘蛛のシーン。どんなことが起こっても不思議じゃない、それでいて夢なのか現実なのか想像なのかわからない世界観を醸し出していた。

結局見終わってもアダムとアンソニーの関係がはっきりさせることができず、解釈は分かれると思う。見終えて初めてカオスの意味が理解できた気がする。答えが出ない。ごちゃごちゃ。どうやっても矛盾が生じる気がする。納得いかない。それでも面白かった。この答えが出ないという斜め上をいった作り、嫌いじゃない。

(評価:★4)

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