コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] ラッシュ プライドと友情(2013/米=独=英)

日本でのF1ブームの洗礼を受けた世代としては、まるで神話が動いているようだった。第二期ホンダ最強時代、セナプロ対決、古豪ピケ・マンセルの奮闘。それらのバックボーンとして語られる1970年代が、眼前に実写として躍動するこの興奮!
hiroshi1

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







「若い頃のプロストは、ただ速いだけの無鉄砲ドライバーだった。同じチームにいた偉大なチャンピオン、ニキ・ラウダの戦略戦術を見て学んで、今のような頭脳派のプロフェッサーになったんだ」

「ホンダの紐付きドライバーと、中嶋悟のことをバカにしていたBBC解説のジェームス・ハントが、雨のアデレードの中嶋の激走を見て、「雨で速い奴は本物だ」と見解を改めたらしい」

90年代前後に、日本で起きた空前のF1ブームの中、当時語られる当代ドライバーのエピソードは、常に前の時代の偉大なドライバーとの比較でなされる事が多かったのです。

そこで登場するラウダやハントは、自分たち新参ファンが見る事の叶わなかった、現代F1に至るプロローグの時代を活躍した神話の主たちでした。

そういう神話を生きた登場人物、マシンたちが、眼前に躍動する姿を見せられては、アドレナリンが滾らない訳がないのですよ。

のっけから、中嶋の乗った世界初のアンヘドラルウイング、水中翼船ティレル019をデザインしたポストレスウェイト博士が、ハントの乗るF3のデザイナーとして、サラッと登場! これでやられますわ。

それ以降も、クレイ・レガツォーニ、エンツォ・フェラーリ、ジャッキー・イクス、マリオ・アンドレッティ、カルロス・ロイテマン、ヨッヘン・マス、ここらあたりがモブキャラとして登場してくるわけですよ。

そしてマシンも、ラウダ、ハント、二人の駆るフェラーリ312TとマクラーレンM23を初めとして、JPSカラーのロータス77!  ティレルの”たいれる”6輪!  マーチだ、リジェだ! そいつらがサイドバイサイドでしれっと登場!

そういった土台に支えられながら、ラウダとハントの男の物語は展開していきます。そして、決戦は雨の降りそぼる富士スピードウェイ。

こんなんやられたら冷静でおれる訳がありません。血が滾りまくりです。5点と言いたいところですが、冷静に判断出来てないので用心のため1点引いておきます。

(評価:★4)

投票

このコメントを気に入った人達 (3 人)pori てれぐのしす[*] けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。