[コメント] イノセント・ガーデン(2013/米)
父によって硬質な殻に閉じこめられた娘の孤独。あけすけな欲情をまき散らす母の孤独。あらゆる関係性を強制遮断された叔父の孤独。三つの孤独が互いに求め合い拒絶し合いながら不穏な官能となってサスペンスを醸す。不安定なピアノの旋律は情交のあえぎのようだ。
そして、三つの孤独は怒涛の果てに実を結び、ひとつのあだ花となって開花する。
蜘蛛、ハイヒール、長めのベルトと母のブラウスといった小道具や、官能的なピアノの連弾が、少女から「女」への羽化物語を怪しく耽美にリードする。さらに、インディア(ミア・ワシコウスカ)、母イヴリン(ニコール・キッドマン)、そして叔父のチャーリー(マシュー・グード)の描き込みのバランスも過不足なく終始緊張感が持続する。少女の成長物語として、官能サスペンスとしても、傑作。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (2 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。