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[コメント] 教授と美女(1941/米)

総ての映画は御伽噺と云っても過言ではないが、本作は御伽噺として本当に素晴らしい。クーパーとスタンウィック(ヤム!)は勿論のこと、オスカー・ホモルカヘンリー・トラヴァースをはじめとする教授達も、ダナ・アンドリュースダン・デュリエといったノワールの時代を導くギャング達も、或いはジーン・クルーパーも。
ゑぎ

 ハワード・ホークスのディレクションは何て愛らしいのだろう。そしてグレッグ・トーランドが驚異の撮影技術を披露する。暗闇の中のスタンウィックの瞳の表現なんかはもう世界映画史上の最高のシーンだと云いたくなるぐらいだ。しかし、しかしである。実を云うと私はこの映画の撮影には違和感がある。トーランドらしい縦構図のディープフォーカスがこの映画では徒(あだ)になっていると思う。トーランドの刻印を強く感じ過ぎてしまう。「撮影形式を意識させないフィルムの透明さ」というホークスらしさが阻害されている。

#とは云っても、本作に最高点を付けない訳にはいきませんが。

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)寒山拾得[*]

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