阿部 寛・北村一輝・宍戸 開・市村正親らローマ陣には、眉にハリボテをつけて彫りを深くするメイクをして欲しかった。眉だけでいいから。いや、やるなら髪も染めて欲しかった。いや、いっその事、カラーコンタクトもつけて欲しかった。そうしたらかなりヴィジュアル的に本当にローマ人に見える方々では無いだろうか。

勿論、先日『Ｊ・エドガー』('11/米)を『独裁/スターリン』('92/米)を引き合いに出してまで批判した私ですから、メイクが大好きでもないし信用している訳でもありません。しかし制作側も一回位は、役者を出来るだけローマ人に見せる案を検討した筈だと思う。私はそっちバージョンを是非とも観たかったと言うだけだ。

役者側から「素で出たい」と要望があったり、「日本人がローマ人を強弁するのも面白いじゃないか」という案が採用されたという事なのだろうが、そういう日本人役者の素材そのものを見せよう、という役者にご機嫌を取る態度が、私としてはちょっと残念なのだ。