[コメント] ドラゴン・タトゥーの女(2011/米=スウェーデン=英=独)
映画を見終った人むけのレビューです。
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スウェーデン版未見。実はリスベットをメインにすえた映画ポスターに、勝手に「ハード・バイオレンス」だと思ってしまっていた。だから、つい映画館に足が向かず、見逃したら、ここで結構な評判だったからびっくり。で、1を見なかったので、2・3も見なかったら、ここでの評判がサッパリだったので、もっとびっくり。
そこへきて、このリメイク。予告編を見る分には「ハード・バイオレンス」な印象そのままの「プロモーションビデオのような大音量の予告編」だったから、いったいどんな映画か、まったく予測できなかった。
で、鑑賞。「ハードバイオレンス」なのはリスベットの生き様。あとは結構直球なサスペンスドラマと、「ダヴィンチ・コード」のような謎解き。
2時間半以上の上映時間だったけど、長さは感じなかった。ダニエル・クレイグが実にいい演技をしていたと思うんです(少し贔屓してます)。
サスペンスとしては、日本の2時間ドラマのように「キャストで判る真犯人」なのは、ちょっともったいない。まぁ、それが映画を見る楽しみを損なってはいないから、いいんだけど。
キャストでいえば、別の映画でオスカー受賞した82才のクリストファー・プラマー(おめでとう!)でなく、いっそ同じオスカーを競った82歳のスウェーデン出身のマックス・フォン・シドーでもよかったかも。そうしたら、同じスウェーデン出身のスカルスガルドと2人並んでいるのに、主演はイギリス人のダニエルかよ!ってスウェーデンの人は思うかもね。ちょうど『SAYURI』で渡辺健、役所公司、工藤夕貴ら、海外でも名の知れた俳優を並べているのに、主演はツァン・ツィーかよ!って思ったように。
話はそれてすいません。面白い映画だったと思うのですが、肝心のリスベットに関しては、私は消化不良です。まずせっかくだから、ちゃんと背中の「ドラゴンタトゥー」をちゃんと見せてほしかった。なんかタトゥーしてるなぁ、とは思ったけど、何の図柄かぜんぜん判らない。ここは西洋風のタトゥーじゃなく、日本の仁侠映画的な「龍の刺青」とかにアレンジしちゃっても面白いかも。
で、彼女がなぜこんな人生を送るようになったのか?という部分は明確にされていない。それは「2」「3」で明らかになるみたいだし、監督自身、あえてリスベットに感情移入させないようにしているみたいだ。だけど、ミカエルと最初に「ヤる」場面の、なんともムードも色気もない始まりと、それでも拒めない?据え膳はしっかりいただく「男の性」と、そしてモザイク。
モザイクはまぁ別にして(今後、18禁でモザイクなしバージョンも一部映画館で上映されるようなので、世の中の男どもが期待に胸膨らませて?楽しみにしているに違いない)、あのシーンだけでももう少し「アタイがアンタを守ってあげるよ!」的な優しさで誘ってくれたら、ずいぶん違った印象になったと思うんだけど。
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