[コメント] 冬の小鳥(2009/韓国=仏)
子供とは本来、大人が思っているよりももっと賢いもの。彼女・ジニは悟っていた。普段とは違う父の様子に。もう迎えには来てくれないことに。だから、足を洗ってもらっている時に父にしがみついたんだ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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ジニは賢い。事態は理解している。認めたくないだけだった。
父に買ってもらった洋服を取り上げられた時もそう。
父が買ってくれたケーキをみんなが無遠慮に食べ出したときもそう。
父との思い出の品がどんどんなくなっていく。
父との思い出自体がどんどんなくなっていく。
でも、子供は状況に適応する能力も持っている。
仲良くなった友達が出ていった時、自分も覚悟を決めた。
いつまでもここにいちゃいけない。
いつか出ていかなくちゃ行けない。
そう決めたんだ。
この映画は殊更ジニが園に馴染まない事を強調している。
たとえノンフィクションを謳っていても、そんなのは嘘だ。
監督自身の体験談とは言え、後から感傷的になって付け加えたエピソードも多々あろう。
環境に馴染めなかった時間は長かったかもしれない。
だけど、自分と同じ境遇の子供たちがあんなにいる環境に、子供が馴染めないわけがない。
子供は大人が思っている以上に現実を悟る。理解する。
僕も父に棄てられた時、そうだった。理解するのに時間がかかったんじゃない。納得するまでに時間を要しただけなんだ。
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