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[コメント] ザ・コーヴ(2009/米)

同じように衝撃を受けたひとは、是非『いのちの食べかた』(2005/豪)も観てもらえたらと思う。☆3.9点。
死ぬまでシネマ

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







実録部分の迫力は申し分無い。日本では中々みられない非合法撮影を強行する過程、そしてその結果得られた映像にも圧倒的な衝撃がある。しかし主義主張部分に限り無く胡散臭さも感じる。根拠の提示が弱く一方的にしか見えない(水銀汚染の可能性については是非本当の事が知りたい)。観賞中のどうしようもない不快感はその為なのか、それとも自分が映画で追及されている<極悪な敵>の側に立たされている自覚の所為なのか。

鯨漁は日本の守るべき文化である、という政府の主張はある程度聴くべきものであるとは思ってきた。しかし今作を見せられてしまうと、伝統的鯨漁というのも、別に普通の漁なのかも知れないと推測されてしまう。今まで続けられてきた鯨漁・海豚漁が悪逆非道な所業であったとは全く思わないが、今後もそれを続けるかどうかは考えるべきだと感じた。伝統だから残さなければならない、とは俺は全く思わない。

海豚が駄目なら牛や豚はどうなんだ、馬肉も当然駄目なのか、となる。一般化は思考過程として重要だ。ベジタリアンはそこ迄考えているのだろうが、もし植物にも心があるなんて言い出したらどうする?

一方で少しずつ始める(変える)、という対応もある。知能が高い動物から食用の猟(漁)をやめていこう、というのはあり得る選択だと思う。今後残虐な方法でのあらゆる屠殺が禁止されるかも知れない。食糧難も悪化するので代用肉・昆虫食の研究も進むだろう。医薬品研究の分野でも動物実験を減らそうとしている。

ノルマンディー作戦等で「海が赤く染まった」という表現がよく使われる。誇張だと思っていた。誇張では無かった。(映画が画像処理している可能性はある)

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)ぽんしゅう[*]

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