ロークの悪役だって悪くなかった。

ただ、登場人物に多くの見どころを用意し過ぎた反動として、物語演出の面でまとまりに欠けるとともに、せっかくのアクションが間延びしてしまったところがあったのは残念だったと言わざるを得ない。

特にチードル演じるローディの暴走は、確かにラストファイトで重要な役目を果たしはするけれども、映画全体としては前述の欠点の元となっている感が強かった。

加えて前作でローディを演じたハワードがあまりにハマリ役だったところもチードルには痛手だった。演技派の彼をもってしてもその代役たりえなかったという印象が残って不運だったと思う。

しかし、トニー・スターク（ダウニーＪｒ．）本人による自社、社長室の派手なぶっ壊しっぷり。あとは夜の演出の精度、特に飛行や爆撃、あるいはラストファイトの際の光の使い方に、前作を踏まえた成長が見られたところは良かった。