[コメント] マイレージ、マイライフ(2009/米)
設定ではなく実在するんですね、リストラさえアウトソーシングするアメリカ社会にまずびっくり。物珍しい題材に引き込まれ、軽妙な会話劇に心酔しつつ、最後には確かな余韻を残すスタイリッシュでアイロニカルなコメディー。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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合理化(リストラ)を合理化し、果てはスカイプとか使ってもっともっと合理化!!やっほーーーー
こんな気色の悪い資本主義を真正面から批評してもかっこわるいだけ。
この映画は、首を切られる側からは描かれていない。
だからジョージ・クルーニーは一種の職人として描かれた。
失職する人たちへの言葉の選び方はもちろん、キャリーバックの動かし方、荷物の詰め方、
搭乗手続きの無駄の無さ、レンタカー会社の選び方、一夜限りの相手の口説き方、
すべてが職人技であり、その最たる象徴が、出張人生を賭して得られる1000万マイル。
それが職人としての生きがい、ステータスなのだと粋がる。
プロフェッショナルなひとを観ると気持ちが良いです。
そして、そのプロフェッショナルが相対する、首を切られたひとたちの切実な表情のモンタージュの見事さ。
(実際にリストラ経験者が演じているとか)
これだけでジョージ・クルーニーは死刑宣告人を免れたのだし、
職人ゆえの(つまり人間ゆえの)葛藤を演じ得たのだろう。
あと、邦題が素晴らしいです。
「マイライフ」という投げたくてしかたない直球の前の、「マイレージ」というしゃれた変化球。
緩急がね。
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