[コメント] 我等の生涯の最良の年(1946/米)
映画で表面的に描かれる物語世界の背景に、緻密かつ広大な世界が広がっていて、それがとても分かりやすく伝わってくるのが、自分にはありがたいし嬉しい。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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三人の復員兵が、故郷の平和な日常に、初めは不慣れでとまどいながらも、徐々に馴染んでいく姿を描いた物語。戦争の悲惨さを描く戦争反対の映画ではなく、平和の尊さを描いた平和肯定の映画。
本当に素晴らしい映画で、どこから語り始めたらいいかわからないくらいだけど、例えば。
復員してきたばかりのアルは、平和な「我が家」にイマイチ馴染めない。「戦場の垢を落としにいく」と称して、家族を引き連れて飲みに繰り出す。夜通し飲んで、妻と娘に散々迷惑をかけて、翌朝遅く目を覚ました彼は、それでもまだなんとなく不安である。様子を見に来た妻が部屋のドアを開けると、ちょうど夫がバス・ルームに消えるところだった。だいじょうぶかしら、という風情で、しばらくドアを開けたまま様子をうかがっているが、バス・ルームからシャワーの音が聞こえてくるので安心して妻はドアを閉める。
が、ここでわれわれは思うのだ。ちょっと待て。シャワーの音が聞こえてくるの、早過ぎやしなかったか?バスローブを脱ぐ暇あったんだろうか。で、画面が切り替わると、案の定、アルはバスローブを着たままシャワーを浴びていて、鼻歌を歌ったりしている。突然気づいて、うぉーっとか叫びながらシャワーを飛び出して毒づくのだ。これ、飲み助なら分かってくれると思うんだが、この手の失敗はみんな必ずやらかしてるよね。大笑いしました。
続きはまたいずれ。
90/100(03/11/11見)
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