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[コメント] 我等の生涯の最良の年(1946/米)

映画で表面的に描かれる物語世界の背景に、緻密かつ広大な世界が広がっていて、それがとても分かりやすく伝わってくるのが、自分にはありがたいし嬉しい。
G31

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 三人の復員兵が、故郷の平和な日常に、初めは不慣れでとまどいながらも、徐々に馴染んでいく姿を描いた物語。戦争の悲惨さを描く戦争反対の映画ではなく、平和の尊さを描いた平和肯定の映画。

 本当に素晴らしい映画で、どこから語り始めたらいいかわからないくらいだけど、例えば。

 復員してきたばかりのアルは、平和な「我が家」にイマイチ馴染めない。「戦場の垢を落としにいく」と称して、家族を引き連れて飲みに繰り出す。夜通し飲んで、妻と娘に散々迷惑をかけて、翌朝遅く目を覚ました彼は、それでもまだなんとなく不安である。様子を見に来た妻が部屋のドアを開けると、ちょうど夫がバス・ルームに消えるところだった。だいじょうぶかしら、という風情で、しばらくドアを開けたまま様子をうかがっているが、バス・ルームからシャワーの音が聞こえてくるので安心して妻はドアを閉める。

 が、ここでわれわれは思うのだ。ちょっと待て。シャワーの音が聞こえてくるの、早過ぎやしなかったか?バスローブを脱ぐ暇あったんだろうか。で、画面が切り替わると、案の定、アルはバスローブを着たままシャワーを浴びていて、鼻歌を歌ったりしている。突然気づいて、うぉーっとか叫びながらシャワーを飛び出して毒づくのだ。これ、飲み助なら分かってくれると思うんだが、この手の失敗はみんな必ずやらかしてるよね。大笑いしました。

 続きはまたいずれ。

90/100(03/11/11見)

(評価:★5)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)ジェリー[*] 甘崎庵[*]

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