[コメント] おくりびと(2008/日)
映画を見終った人むけのレビューです。
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近親者の死は、時の流れを止めてしまう。当然の如く彼や彼女とともに前に進むことなどもう叶わない。彼や彼女とともに歩んできた過去をふりかえることはあまりにも切ない。親族たちは遺体を前に、ただたじろぐだけだ。
納棺師である小林(本木雅弘)の所作に秘められた不思議な力。それは、止まってしまった時の流れを再び前へと進める呪術のようだ。遺族に代わって故人を愛おしむような小林の所作をまえに、遺族は「今までで最も美しい妻」を発見し、「こんな娘ではなかった」と悔悟を口にし、「真っ赤な口紅でキスを贈り」ありし日の交歓に浸る。 遺族たちの時の流れが、やっと前へと動き現実を受け入れはじめるのだ。そうして、ようやく遺族たちは門番を自認する平田(笹野高史)の手を借りて故人をおくりだし、また日常へと帰っていくのであろう。
人の死が引き起こす、自らの力ではどうすることもできない動揺とたじろぎ。その呪縛をとりはらい「おくる」ことへと人の心を優しく導く「おくりびと」の存在。一生気づかぬかもしれない、陰の人々の支えに気づかせてくれた優しい作品であった。
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せっかくの良い映画なので、あまり文句は言いたくないのだが・・・・・
何がそんなに可笑しいのか広末涼子は出番の半分以上、ヘラヘラ、ニタニタと笑っていた。実に薄っぺらく気持の悪い若奥さんである。はっきり言って、広末の役作りの未熟さは作品の完成度を下げていた。
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