[コメント] ダークナイト(2008/米)
闇夜を描きながら、暗くなりきれていないのが勿体無い。暗い宿命を邪魔するのは、絢爛たる富。…日本には古来、「金持ち喧嘩せず」という言葉がありましてな…
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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バットマンがどんなに重く暗い宿命を自ら背負おうとも、背負った上で帰っていく先が、ぬっくぬくの、金襴緞子の、札で鼻をかむような生活では、どうにも胸が締めつけられようがない。ってか、帰る場所があるダークヒーローってどうなんだろう。どちらかというと、いつ自身の命や、帰る場所である家族が奪われるかもしれない状況にあって、顔を隠すことなく正義を全うする刑事さんの方が、がっつりヒーローな気がするのだけれど。
「(黄金)バットマン」という設定に眼をつぶれば、血沸き肉踊るアクションに織り交ぜて、人の心の闇と僅かな救いを、(チンピラから市井の人々まで)きめ細やかに描いたかなりの意欲作だと思いました。
…例えば、あの拉致された幼馴染が、散々気を持たせた挙句バットマンをこっぴどくふっておきながら、いざとなったら自分の方を助けに来るに違いないと確信しているあたりとか、ムカつくけどリアルだ。(あの場面ではジョーカーの機転に寧ろ快哉を叫びたくなってしまった。ああ、わたしの心の闇が…)
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