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[コメント] ライラの冒険 黄金の羅針盤(2007/米)

総じて言えば、まるで他人がやってるゲームのRPGを横で眺めてる感じ。全然楽しくありません。
甘崎庵

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







 とりあえずキャラに関しては問題ないと思う。実物でもキッドマンやクレイグといった旬の役者が出ているほか、声の出演がイアン=マッケラン、フレディ=ハイモア、キャシー=ベイツとなかなか豪華。そしてそれらに一歩も引かずに堂々と演じたライラ役新人のリチャーズもたいしたものだ。

 だけど、褒めるところはそこしかなかった。

 まさに息も継がせぬスピード感と見所感に溢れた作品なのだが、それが私には苦痛。  これだけ冒険一杯で見所満載。画面映えする作品というのに、はっきり言って退屈でたまらない。実はものの30分程度で飽きてしまった。これは前に『シン・シティ』でも感じたことなのだが、たとえ見所が連発されようと、一本調子でただ派手にするだけではアクションは映えない。物語も次に来る展開が事前に分かるようになっていて、驚きがないので、ただ淡々とやかましい音を聞かされてるだけの気分。正直音響の良さを雑音としか感じられなかった。

 結局それは演出のチープさ。と言うことだろう。見所は詰まっているとはいえ、基本的に話は一本調子。ライラは「はい」と「いいえ」の選択肢を選んでいくだけで物語が展開していく感じだし、都合の良い時に都合の良いキャラが次々に登場。ちょっと画面に違和感がある登場人物が出れば必ずそれが伏線となってる。などなど、意外性どころか一貫した物語性を全く顧慮しない展開。しかも物語を詰めすぎたために緩急もない。アクションも一本調子が続くと、観てる側は無関心になってしまう。たとえ同じ物語であっても、見所をちゃんと押さえて作ってくれれば、そんな感覚に陥ることもないはずなのだが、どうにもこの息継ぐ暇のないアクションというのは、さほど楽しいものではなくなってしまった。

 単に私が歳食ったからそう言うのに耐えられなくなったのかも知れないが、だったらこどもを連れてくるお父さんお母さんにもっと優しい作品に仕上げて欲しかったもんだ。

(評価:★2)

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このコメントを気に入った人達 (2 人)けにろん[*] YO--CHAN[*]

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