それに狂言回しのような役割を果たしていた近衛兵のカッコよかったこと。いかにもアジアらしいワイヤーアクションにはちょっとやりすぎの感じもしたが、するするとすばやく動きながらも威圧感たっぷりの仕草にはしびれてしまった。

またいかにも宮殿らしい内侍監のもったいぶった仕草などはいかにもそれらしい雰囲気を漂わせて、それらの様式美だけでも十分満足できた。

しかしながらラストが、ちょっといただけない。いかにも混乱期にある時代なんですよ、所詮はその中での権力争いでしかないし、コップの中の嵐に過ぎないんですよ、みたいな事を言いたいのかなあ、なんては思うが、あんなラストはいらない。

チャン・ツィーが絶対的な権力を手に入れて高笑いして終わり、でも十分良かったのではないだろうか。そこがどうにも納得できなくて一点減点となった。