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[コメント] Death Note デスノート the Last name(2006/日)

無駄な先入観を絶つため原作には目を通さなかったのだが、こんな例外だらけの物語ではルールの確立によって生じるスリルなどあって無きが如しではないか。
水那岐

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







まず、新登場の死神・レム(ピーターはいいキャスティングだと思うが、もう少し低音を効かせて欲しかったものだ)が人間臭すぎる。人間の少女を愛し、彼女のために自分のデスノートを濫用したのみならず、追い詰められた月によって滅ぼされてゆく間に、ご主人(みたいなものだと思うのだが…なんかランプの魔人みたいだけれど)にも危機が迫るとあって、デスノートを自ら燃やしてしまう。

さらに月も、これはLをペテンにかけるためだが、偽りの所有者条件をデスノートに書き込む。

それくらいならまだいいが、最後にうんざりしてノートに月の名を書き込むのはリュークなのである。おいおい、始終遊び人みたいな口調だとは言え、おまえは契約を交わした死神だろう。人間が約束を破ったからといって、自分までそれに倣うのではまるっきりお話が成立しないじゃないか。「デスノートに名前を書き込んだ者は、天国にも地獄にも行けない。ただ無があるだけだ」とリュークはのたまうが、そんなつまらない世界に人間の魂を送り込んで何が楽しいんだろう、この死神さんは?無の世界では崇める神も、へつらう鬼どもも存在し得ないんだぜ?

結果的にそれらが目立つことで、図らずも生きた人間ならぬCGアニメの死神ばかりが目立つことになってしまった。リュークらに悪ふざけの癖があるのは別にいいが、やはり作品を締めくくるのは生きた人間に任せてほしかった。

…まあ、子供の教育上の問題としては、デスノートを欲しがる子供の一掃のために「いい」結末なんだろうけど。

(評価:★2)

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