ダークキャッスルには期待と注目を注いでいる私。 前回の『ゴシカ』はホラーというよりかはサスペンス。流行に迎合したような作りにあまり好感も持てず、前々回の『ゴーストシップ』は無駄にスタイリッシュさを入れた映像に満足できず……。

しかし、今回は奇をてらった感じもなく、あくまでスタンダードなホラーの中に面白いアイディアを詰め込んでいる。 “現代に良いホラーを復活させる”為に作られたダークキャッスルの意図にかなり沿った内容のように思った。

最初の誰もいない街から、ぐっと引きこまれ、そして夜になって教会の人らがすべて蝋人形だったと気付いた衝撃！キャー怖い！！（笑）

主人公の彼氏のウェイドは新たな若手としてプッシュしたくなるようなカワイイ顔してたから終盤まで生き残ると思ったのに、人形一番手でかなり意外。人形にされる様も恐ろしくて良かったですね。皮膚の蝋がニチャァっと剥がれる感じが気持ち悪い……。 それ以外にもスプラッタ的にも面白いなぁと思うところが端々に。主人公なのに最初っから酷い目に合っちゃったカーリーが指をちょんされるところの血の吹き出し方なんて画面前で思わず「イテテ…」と言ってしまった。ドルートンの首が瞬きするのも面白い効果かと。

役者陣も良かったですね。エリシャはカワイイし、パリスも良い殺されっぷりで（笑）。特にお兄ちゃん役のチャド･マイケル･マーレイは、『シンデレラ･ストーリー』で今回とは真逆の役を演じ、しかも主人公のヒラリー･ダフの引き立て役みたいになっていたが、今回は“ワルだけど妹想い”みたいなマニア心（？）をくすぐる役でカッコよかった。体も張ってたし。

ラストはとにかく館の崩れる様が圧巻。これやりたいが為に全部蝋でできてる設定にしたのね！床がぐにゃりとメルトダウンするところや、蝋人形が溶けていくのなんてちょっと感動もの。双子がまた結合するのなんて「にくいね！」と思わずニヤニヤ。

オチもまぁ、そこだけやけにB級らしくて良かったんではないでしょうか？よくあるラストで、私的には割りと良い着地の仕方だと思った。

最後に不満点をあげるなら、パリスのカップルは男の方が常にヤリたいのが漂ってる感じだったのに、全然そんなシーンありませんでしたね。寸止めかよ（そこをツッコむのもどうかとは思うが）。 あと、妊娠かも設定には何の意味が……。これはこの映画の中で1番無駄だと思われる。

死んだ彼女の腹からまた双子が生まれたとかいうラストにするんだったら面白い設定だけどね（笑）。