[コメント] マルメロの陽光(1992/スペイン)
この作品はエリセのメディア論が垣間見られる。
アントニオ・ロペスはすばらしい陽光に照らされるマルメロの木を描きたい。ビクトル・エリセはそのアントニオの姿と、陽光に照らされるマルメロの木、照らされないマルメロの木の両方を描きたい。 湾岸戦争を伝えるラジオ、夜の闇に浮き上がるブラウン管、昔の写真と、マリアが一年前に描き始めた絵、毎年チャレンジするマルメロの木の絵…
家の壁は壊され、思い出は忘れるが、独りではない。
僕はこの映画から「孤独なんて無いんだ」ということを学んだ。
アントニオとエンリケの会話は最高。「こんな天国には行きたくない」って、いいなあ。2人で歌うシーンなんて、もうたまらない。
マルメロの木が本当に美しい。陽光がたまらない。ちょうど紅葉の時期で、庭の他の木々も美しい。
これは大切な映画です。何度も、何度も、見たい。
「写真を見て描くんじゃ駄目なんです。この木と一緒にいることが大切なんです。」
すごい映画だ。すごい人だ。冒頭のキャンパスを作るシーンだけで、もう引き込まれる。
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