いやぁ素晴らしい。最初は「大丈夫か?」と思ったが、想像以上に製作者側の熱意がぐぐっときた

私はゴジラファンではないが、メガギラス以降はすべて劇場鑑賞。今回は北村龍平が監督という事で、変な方向に進むのではと心配したが、何が何が!はっちゃけてて逆に新鮮で大興奮。良い方向に“殻を破った”感じがした。今迄、ぷすぷすと燻っていたものが正にポーンと弾けた感じ。正直、彼がこんなに熱い男とは知らなかった。最近珍しくないアメリカかぶれの引き籠もり系邦画監督ぐらいにしか思ってなかったがが、見直した。

ゴジラの根底にあるテーマだとか、こうあるべきだとか、ファンでない者にゃどうだっていい事なんす。1作1作が面白ければそれが一番。ゴジラは娯楽作なんで。そういう視点から見て、今回のは及第点。それにワイヤーアクションがちゃんと着ぐるみとコラボできてて感心。まぁ大方の予想通り無駄な人間のアクションシーンが入り、んな事に時間割くならモスラ登場場面で「モスラや」の1つでも入れてくれとも思ったが、長々とした人間ドラマを忘れさせてくれる程、ゴジラ戦闘シーンは迫力があって素直に興奮。4匹同時に戦うとことか俯瞰だよ!前回無意味に双子で出てきたモスラなんてメじゃない!映画的手法とか技術とかは手塚より北村のが上。新しい事はしつつ、ツボは決して外してない。しかもアメリカ映画ばりな批判もよくやった!と拍手。最後も驚く程良いし、かなりの出来と言っていいかと

そして人間パート。不必要さは多々あれど、北村一輝が超カッコイイ!ああいう役が本当上手い。うっかり家畜になりてぇとか思っちゃったよ(苦笑)。少し浮いちゃう作りになったのは残念だが「ガイガーン!!」は最高。あと、ドン・フライ!!ある意味『キャプテン ドン・フライ』でしたから、この映画。しかも吹替え不自然!「シュワちゃんの声してる人じゃん!」と熱烈ツッコミ。このバカさ加減とかもいい案配っすね。

手塚ゴジラはファンでない私には冗長で魅力がなかったので、今回は特に面白いと感じた。ただ、ファンに人気な金子ゴジラは私も支持派。でも北村ゴジラはこのどれとも違っていい。テンションとか。ただこれは終わりでなく始まりであって欲しいと願う。折角切り開いた道を閉ざさぬようにして欲しい。

今年は図らずもゴジラで映画初めをし、ゴジラで映画納めとなった。こんな年もたまにはいいかな