[コメント] 殿方ごろし(1955/伊)
ジュゼッペ・ロトゥンノの実質的な撮監デビュー作。この時点で既に溜息の出るぐらい美しい色使いだ。原色を多様していても決して派手派手しくならず落ち着いた色調で目が癒される。しかし何といっても圧倒的なのはソフィア・ローレンの肢体だ。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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さて、本作が『パンと恋と夢』の連作(続々編)であるという予備知識が全く無い状態で見始めたので、冒頭でサリエナ地方の町並みがテクニカラーで示され、大いに驚いた。場面はデ・シーカの故郷という設定のソレントへすぐに移行してしまうが、ソレントの風景や町並みの描写もロトゥンノの貢献もあり本当に美しい。
前2作でもビットリオ・デ・シーカのキャラクターは無節操さとヒロイズムのバランスに少々違和感があったのだが、本作でもあれほど恋焦がれたソフィア・ローレンを潔く若者に譲ってしまうという一貫性のなさはある。しかし前作までと比べれば職務のことなど一顧だにしない無節操なスケベ親爺として徹底されて描かれている部分が多く安心して見ていられる。
そして何と云っても圧倒的なのはソフィア・ローレンの肢体だ。前作までのヒロインであるジーナ・ロロブリジータと比べてはいけないかも知れないが、このソフィア・ローレンの存在感にはどんな女優も敵わない。特にラスト近くの祭りのシーンで見せる彼女のダンス。
ローレンの影に霞んでしまうのは可愛そうだが、ラストでデ・シーカと結ばれる(?)役割のレア・パドヴァニも悪くない。彼女の変貌ぶりをもう少し鮮やかに演出する必要があったとは思うけれど。
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