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[コメント] スパニッシュ・アパートメント(2002/仏=スペイン)

モラトリアム期におけるアイデンティティの喪失、または構築
あき♪

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







自分の将来を見据えて、不安に思いつつも勉強しようと思わない人はいないし、 またその不安の中で自分が何者なのか疑い、ここから先どうして生きていけば良いのか、と思わない人もいない。

この作品はそういった、青年期のモラトリアム期における自身のアイデンティティの揺らぎの様なモノを、 異国の地で色々な経験を通して足掻いていく若者像の普遍さを描いているのが、とても見ているモノの共感を誘う。

勉強もあるし、やりたい気持ちもあるけど、日常生活に置ける様々な大切だけど時には鬱陶しい様な諸事情もある。 そんな日常が様々な友人間の間にすごく映画で見れて面白かった。

そして、最後主人公は自分がかつてなりたかったモノになる事を決める。 これはアイデンティティの確立だ。

海外で様々な人を見て、様々な事を経験して、 そこで過去に会った人達の中に自分の存在を多角的に見出し、 将来に対するあらゆる不安を一応脇に置いて、 自己を確立し、そこから先に歩いて、イヤそこから飛行して行こうとする主人公にかなり共感出来るし、どこの国の人でもこれには共感出来るであろう内容に思えた。

更に、主人公と同じくらいの年代の人が見るとより共感出来る映画だなと思った。

それと、人妻と遊ぶ、イヤ人妻に遊ばれるってのもいいよなぁ、とか不埒な事も少し思った。

(評価:★5)

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