[コメント] コンタクト(1997/米)
映画を見終った人むけのレビューです。
これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。
−−− どこが好きか −−−
ジョディー・フォスターが言葉を失う演技。感動的です。
"No words. No words.... to discribe it. Poetry. They should have sent a poet. It's so beautiful! Beautiful!"
このシーンは、この作品中最も印象深い部分です。何度見ても、ジョディに共感し、鳥肌が立ってしまいます。
−−− 全体的に −−−
科学は現代においては、かつて宗教のみが語ることを許された領域に踏み込んでいます。宇宙の誕生についての仮説は、「宇宙は無から生まれた」と、神の存在なくしてこの世界の創造を語っています。
私自身も、いわゆる「科学教」の信者の一人だと思っています。より合理的なものを信じ、神の存在というものについては、疑わざるを得ないと思っています。
エリーが父を亡くした時の台詞「薬を1階に置いておけば間に合った」は、ちょっとキツイ子供だなという印象もありますが、まさに「神の御心」を否定し、自分の行動を後悔する心のあらわれでしょう。
しかし、完全に合理的な人間でもなく、冷たい人間でもありません。無線交信で、母親と交信出来ないかと聞いたり、父に呼びかけたりもします。 「spaceがもったいない」という、パーマー・ジョスの言葉に、亡くした父の姿を重ねて惹かれるという部分も持っています(このシーンを、父の死のシーンより前に入れてるあたりがにくいですね)。
パーマー・ジョスとのベッドでの会話で、彼の「神との出会い」の体験談が出ます。 実際、クリスチャンが側に居なかった人は体験していないかもしれませんが、「神との出会い」を語る人は少なからず私の周りにも居ました。彼らが体験したことは、彼らにとっては真実であり、誰にも曲げることは出来ません。
エリーは、宇宙人との出会いを、身をもって「事実」として体験しており、それを否定されるという、まさに逆の立場になるわけですね。自分がいかに小さな存在であるか、大きな全体の一部であるということ。とても言葉では言い表せないような、人生が大きく変わるような、皆にも知って欲しい体験。でも、それを証明するものは何も無いんですね。
「父親と海岸で散歩」のシーンは、正直どうかなぁとも思います。宇宙の美しさに感動するだけで充分のような気もしました(それじゃ「コンタクト」にならないが)。宇宙人が、高い所からこちらに接しているような気がしましたね。エリーの心の中を見透かして、夢のような情景を見せるという芸当をしています。驚かせないようにとの配慮か、それにしてもやや?(はてな)と言った印象でした。典型的な宇宙人(クラゲの変形みたいなの?)が出てくるよりは全然良かったですが。
最後の「記録時間」についての台詞も、「あれはエリーの夢じゃないんだよ」と親切に語ってくれていて、憎いです。
−−− ツッコミどころ −−−
やっぱりツッコミどころは一応出しておきます(笑)
<問題の日本表現>
おじぎはそれほど気にならなかったのですが(笑)、一番気になったのが、鏡餅。あの鏡餅さえなければ、私の中ではなんとか許容範囲だったんですけどねぇ…。
<テロリスト>
彼は、一人で抗議して、一人で自爆しています。こういうのって、ステージで訴えかけるのはリーダー格の奴で、自爆テロ実行するのは下っ端の奴っていうイメージがどうもついてます。なんでも一人でやってるっぽいのが、ちょっと変だな〜と。
<宇宙からの信号>
「素数」であると発見するシーン。音は「2回・3回・5回・7回」と鳴り、そこでジョディが「素数」だと発見します。次に音は「11回」鳴って、少し止まります。おかしいのがこの後で、次は「13回」で止まる筈が、台詞の裏で音は休み無くなり続けます。
数えてみました(笑)。結局34回連続で鳴り続けています。 13,17,19,23,29,31は飛ばされてしまってるんでしょうか・・・・
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (18 人) | [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。