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[POV: a Point of View]
剣は無情、人は多情
中華時代劇英雄列伝

◆功夫片との境目が実に曖昧なこの武侠片というジャンル。っていうか区別のしかたがわからんので両方ぶち込んでみた。古装片ともいう。◆A:キン・フー監督、B:チャン・ツェー監督、C:チョウ・ユン監督、D:劉家、E:袁家、F:70年代その他(ジャッキー多いな)、G:80年代、H:90年代以降。 D以下は分割再編するかも。F以下がなんか投げやりだ…。
H★4008 皇帝ミッション(1996/香港)このPOVにも出てくる古龍のあの人たちがオープニングで登場!
H★4決戦紫禁城(2000/香港)古龍原作アンディ映画。
H★3レジェンド・オブ・フラッシュ・ファイター 電光飛龍 方世玉2(1993/香港=中国)紅花党のドンを演じるはTV版『書剣恩仇録』でも同役のアダム・チェン
H★3マッドモンク 魔界ドラゴンファイター(1993/香港)確かにドラゴンは出てくるがメインではない。
H★3ヘブン・アンド・アース(2003/中国)日中蒙仏教風味のトンデモ映画。
H★3カンフー・カルト・マスター 魔教教主(1993/香港)金庸の小説より。病気でヘナチョコのリンチェイ。
H★3ジョイ・ウォンの妖女伝説(1993/香港)ジミーさんが脇に回…らない!
H★3チャイニーズ・ゴースト・ストーリー3(1991/香港)シリーズ三作目。2をぶっ飛ばしても可の内容。
H★3シャンハイ・ナイト(2003/米=英=チェコ)難しいところ。
H★3ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ 天地争覇(1993/香港)シリーズ三作目。武術指導は七小福のひとり元彬。
H★3ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ&アメリカ(1997/香港)アメリカなのよね。ここに入れるのには微妙なところだ。
H★3風雲 ストームライダーズ(1998/香港)異常な量のCGで描くアイドル武侠片。
H★3HERO(2002/中国=香港)大陸の巨匠チャン・イーモウが思い描いた武侠片。
H★3チャイニーズ・ゴースト・ストーリー2(1990/香港)2ではあるけれども、幽霊じゃなくて妖怪が出てくる。
H★3スウォーズマン 女神復活の章(1992/香港)金庸のキャラ、東方不敗だけが出てくる番外編。
H★3スウォーズマン 剣士列伝(1990/香港)冒頭数分のみキン・フー監督。脚本を書き直しまくるツイ・ハークに嫌気がさしたらしい。
H★3シャンハイ・ヌーン(2000/米)微妙なところ。
H★3ブレード 刀(1995/香港)オリジナルはチャン・ツェー&ジミーさんの『獨臂刀』ほか。
H★3王妃の紋章(2006/香港=中国)原作は曹禺の『雷雨』なんだけど、大変なことになってます。
H★3新・流星胡蝶剣 秘術VS妖術(1993/台湾=香港)どの辺が流星胡蝶剣なんだかわからん。新しすぎるのか?
◆映画史上最初の武打星は40年代の元祖黄飛鴻・關徳興(96年没)あたりになるらしい。本物の洪家拳の使い手でもあった彼の黄飛鴻ものは90本ほどに上るという(89〜95本と資料によって違いあり)。日本では、『スカイホーク 鷹拳』、『ツーフィンガー鷹』、『燃えよデブゴン7』で彼の黄飛鴻が拝める。爺さんだけど。 …◆60年代〜70年代は武侠片の黄金時代。キン・フー(97年没)は66年の『大酔侠』に京劇の素早く華やかな立ち回りや音楽を取り入れ、さらにトランポリンやワイヤーワークを使い、それまでの“達人による立ち回り”以外の要素を映画に取り込むことに成功。彼は今作以降は台湾を拠点とし、独自の世界を追求し続けた。 …◆“陽剛武侠”チャン・ツェー(02年没)の作品の特徴はとにもかくにも“漢”の世界にこだわり続けたところにある。日本の『座頭市』シリーズに影響を受けたという彼の作品は友情、野望、義侠、復讐、残虐、とにかく濃い。ちなみにジョン・ウーは彼の弟子。 そして彼の元からはジミー・ウォングデビッド・チャンティ・ロンチェン・カンタイアレクサンダー・フーシェン倉田保昭など数々のスターが育っていった。 …◆チョウ・ユン作品の特徴は豪華セットに美しい撮影! それらが漂わせる何ともいえない詩情は、彼の作品を他の武侠片と区別し“浪漫武侠”と呼ばせるもととなった。 また彼は古龍作品の映画化を好み楚留香や陸小鳳などのシリーズもの含め20本ほど監督する。 …◆劉家と袁家はともに武術指導出身。劉家が黄飛鴻直系の洪家拳なら、袁家は北京オペラ出身。劉家筆頭ラウ・カーリョンは先のチャン・ツェー監督の武術指導より出発。同監督の少林四部作以降独立し本格派の功夫片を送り出す。 袁家のユエン・シャオティエンは元祖黄飛鴻ものの武術指導などから出発したらしい。そこから一家続々と映画界入り。 …◆70年代末になると武侠ものは舞台をTVに移す。TVでは映画ほど時間と金をかけるわけにはいかないという制約の下、カット多用やワイヤーなどの“いかにすごいアクションをとるか”の技術がここで培われた。TV版武侠もの出身のスターにはアダム・チェンアンディ・ラウチョウ・ユンファなどがいる。 …◆80年代から90年代にかけ、“香港のスピルバーグ”ツイ・ハークの諸作品が大人気。“古装片”という呼び方はこの辺から始まったらしい。お茶の間を通し発展を遂げたやや使いすぎなんじゃないかと思えるワイヤーワークを駆使したダイナミックな立ち回りは“武侠片=飛ぶ”という誤解を生み現在に至る。まあそれほど影響が大きかったということか。 …◆POVタイトルは古龍の『多情剣客無情剣』より。 間違い・漏れの指摘などございましたらお知らせ頂けると大変嬉しいです。
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このPOVを気に入った人達 (5 人)トシ movableinferno 町田 jean evergreen