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[あらすじ] 法王の銀行家 ロベルト・カルヴィ暗殺事件(2002/伊)

冷戦下の1980年代。ローマ法王ヨハネ・パウロ2世に指揮されたヴァチカンは、アメリカと並ぶ反共の一大勢力であった。1982年、イタリアの政財界の裏側で暗躍していたフリーメーソンの息がかかった秘密組織"P2"の摘発と共に、さまざまな陰謀が表層化する。ヴァチカン庇護下で、さまざまな金融工作を担当していた、カソリック系金融機関、アンブロジアーノ銀行頭取、ロベルト・カルヴィ(オメロ・アントヌッティ)もまた、イタリア中央銀行による査察という危機に直面する。カルヴィはさまざまな手段に出て、アンブロジアーノ銀行の延命と、自身と家族を守ろうとするが…。
Kavalier

[詳しいあらすじ&解説] 冷戦下の1980年代。ローマ法王ヨハネ・パウロ2世に指揮されたヴァチカンは、アメリカと並ぶ反共の一大勢力であった。ヴァチカンは第2次大戦時のファシズムと結託して得た教会収入、及び世界中の信者から集めた莫大な献金を元に、世界各地の反共勢力へと金銭的な援助を行っていた。そのヴァチカンの資金管理の為の創設されたのが、ヴァチカン銀行IORである。1980年代当時、IRO総裁を務めたのが、法王のボディガードとしても重宝され、「ゴリラ」の愛称を呼ばれた、巨漢の司教ポール・マルチンクス(ルトガー・ハウアー)である。1978年代、暗殺されたパウロ6世に、変わって新しい法王にヨハネ・パウロ2世が就任する。その就任と共に、IROは、その依託下で暗躍しておりニクソン政権の金庫番と言われた、シンドーナと彼の銀行との関係を清算する(シンドーナはこの6年後、独房で謎の服毒自殺を遂げる)。

この後、IROは、イタリア最王手のカソリック系金融機関、アンブロジアーノ銀行とその頭取である、ロベルト・カルヴィをパートナーに選ぶ。IROの庇護下でさまざまな暗躍活動を行う、カルヴィとアンプロジアーノ銀行。

しかし、1982年、イタリアの政官財に癒着していた謎の組織"P2"の摘発と共に、さまざまな事実が明るみに出る。このスキャンダルを受けて、当時のイタリア内閣のフォルラニ内閣は総辞職すると共に、ヴァチカンの黒い金融関係、フリーメーソンとヴァチカンの対立・関係、フォークランド紛争下でのラテンアメリカ諸国とヴァチカンの関わり、マフィアの暗躍らが、表層化する。

P2事件摘発下で、イタリア中央銀行によるカルヴィとアンブロジアーノ銀行への監察、マフィア、CIAの暗躍。フリーメーソンとヴァチカンとの対立、あるいはヴァチカン内の勢力争い、フリーメソン内での権力抗争。さまざまな思惑がある、中、カルヴィは、アンブロジアーノ銀行を守ろうとするが、危険を察知した、IROに切り捨てられてしまう。危険を察知した、カルヴィは家族と自分を守る為に国外逃亡を試みるが…。

この事件化では、さまざまな勢力が暗躍しており、今なお、事件の真相は分かっていない。?(125分)〈カラー〉[ヴィスタ・サイズ]

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