[コメント] 乾いた花(1964/日)
情動を持たない頭脳派ヌーヴェルバーグ。
これほど「脳内で考えて作った映画」を見るのも久しぶり。 つまり、ヌーヴェルバーグというのは、「予想しえない人間の情動や衝動を、カメラが偶然切り取る瞬間を映画にしたもの」という認識を持っていたワシには、かなりの衝撃であった。
「アタマがイイヒトなんだねー、この監督」とソコ一点にのみ、大層感心させられた。 しかし、コレはつまり、「お勉強が良くできる人が一生懸命に脳みそで考えて作った映画」として良くできているというダケでそれ以上の価値はないって事だ。
要するに、登場人物を、自分の理想とする動き具合に完全にコントロールする事にのみ監督が囚われて、ヌーヴェルバーグが本来、獲得した筈の偶然性や情熱というものを最初から放棄してしまっているように見えて仕方ないのだ。
唯一、池部良の主人公の持つ、やるせない色気のようなものがにじみ出ているのが救い。 (コレは監督の技量というより、俳優本人の資質の問題か?) 下手な女優さんより色っぽい。一挙手一投足に色香が漂う。
加賀まり子に至っては「大失敗」 こんな事なら脚本なんか読ませずに、「キミならこんな時、どうする?」と監督自身が彼女にお伺いを立てながら映画を撮ったほうが断然、「それらしい生身の感覚」が手に出来たのではないか?
どうにもこうにも加賀まり子の「野獣会メンバー」としての資質がマッタク生かされていず、なんとも「ヌメラー」とした変に女の腐ったような(失礼)キャラ作りがどうにもこうにも我慢できない。
だって、生身の当時の加賀まり子だったら、とっととパンツ脱いで、池部良に跨がってきそうじゃん?
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