[コメント] ひとり狼(1968/日)
節々に笑える演出あり(多分監督の思惑外だが)&まず、オープニングのテーマソングに笑う。
渡世人の生態を克明に描いたという点で実に画期的であったが、何せ演出の腕が悪すぎて、「いわゆる時代劇」という範疇を越えられなかった「残念無念な一品」
雷蔵の立ち姿がスラリと美しく、「渡世人で凶状持ちの男が、こんな凛とした立ち姿なモンケー!」と思わずツッコミを入れたくなる。
ソレとメイク。 せっかくのリアリズムな脚本に、目張り+アイシャドウ+ツケマツゲ(バサバサ)が水を差す。
プラス、「ベタな照明」一体コレは何ですか?と聞きたくなるような酒場での平坦な照明が(酷すぎて)笑える。
かと思うと突然、劇中に突如として挟み込まれる、降って湧いたような「名台詞」の数々。 「古式ゆかしい時代劇」であったなら「いよっ、カッチョイイ〜♪」ですまされたものが、ココではその中途半端なリアリズムと相まって「そんな台詞を言うようなヤツは信用できねえなあ」という印象となる。残念。
この「リアリズム時代劇」というか、「ジャパニーズ・ニュー・時代劇」の本格的な到来は『股旅』の登場を待たねばならない。 ソレまでの「橋渡し的な映画」とでも言うべき、珍作。
イヤ、演出の腕さえ良ければ、「歴史的名作」になったような気もする。 惜しい。あまりにも、惜しい映画。
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