[コメント] マルコヴィッチの穴(1999/米)
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結局、何だったの?
あなたやわたしのアタマのなかにも違う誰か(自己)が潜んでいるかも知れない、あるいは、あなたもわたしも見えない運命の糸によって操られている人形に過ぎない、そういうこと?
正直言っていまいちアイデアが主題的に取り込みきれていないような印象が残る。こちらの理解が足らないのか?(本人が本人に入ったら本人になるだけではないの? そして現実と思われていた世界の方がじつはマルコヴィッチの頭蓋=想念の世界に過ぎなかったとか、そんなふうに転がっていくのかと思った。)虚構世界の論理構造を寓意性の為にある程度無視するなら、せめて主題的な説得力が欲しいところだけれど、人物が描き込みの足らないエゴイストばかりで、普通の人が非日常に於ける自己を垣間見たことで破綻して変貌していく過程に説得力が感じられない。マキシムは物語的に主要な役割を演じているのに、途中まで脇役としか思えなかった。
思えばこれコメディなんだけど、ひとつも笑えなかった。笑いに関して言えば、発想が在り来たりで脈絡的には唐突という最悪パターンが目立っていたように思う。(たとえば、人の顔がみんなマルコヴィッチになっていたから、だからどうだというのか…?)下手にシリアス入ってるのも(自分には)ネック。どうせなら人形劇はもっと見たかった。ラストの水中画面だけはやたらに気持ち好かった。(そこに込められているらしい皮肉なんて自分にとってはまるで余所事で、皮相なものにしか思えなかった。)
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