[コメント] あの夏、いちばん静かな海。(1991/日)
聞こえないがゆえに幸せな二人の世界。よく北野ブルーと言われるのは,色彩からだけでなく,静寂を感じさせるからだと思う。
主人公たちには耳が聞こえないことによるハンデも多いはずだが,聞こえないがゆえに二人きりの世界に浸れ幸せになれる。それにしても,台詞なしでここまで描けるとは…。
でも,多少気になったのは,障害者を少し美しく描きすぎている点。
北野武監督の作品にしては悪人が出てこないし,主人公の周囲もみんな優しく善意の人たちばかり。それはいいとしても,耳が聞こえなくて主人公たちが苦労するシーンって,サーフィン大会で名前を呼ばれたのに気づかず競技できなかったこと以外は,殆どなかったような気がした。
現実は,こんなものではないだろう。もっと困ることや差別を受けることもあるはずだ。映画のストーリーはやや奇麗事に感じられたが,まあ,おとぎ話だと思えば良いのかもしれない。
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