『007 カジノ・ロワイヤル』から続くヴェスパーの復讐とボンドとMに絡めた世代交代を、郷愁と時に自己憐憫を交えて進むストーリーは、上手い！と惹きつけられる。

Skyfall邸の思い出と愛した女への思いを今作で断ち切り、新たな一歩を踏み出すボンドにまた期待を持たせる。家族の在り方や愛情を描いて手腕を発揮してきたサム・メンデスは、感傷ギリギリに演出して傑作を送り出した。

テーマ曲や新たなQやMというキャラクターや時代と共に進化していく斬新さも好ましい。