[コメント] 沓掛時次郎 遊侠一匹(1966/日)
物語がウェットになればなるほど映画が凛としてドライになる不思議。錦之助と池内の強い眼力の賜物。歌舞伎の隈取の異形さが踏襲されており、突然の花吹雪や書割の美しさと併せ、舞台の伝統が継承され、見事に具現化されている。
くたくた書いたこと、考えれば60年代の東映の傑作は常に当てはまる。本作は典型、しかし中でも高位に位置する作品と思う。
惜しむらくは、現代の感覚からみれば、場面の切上げがワンテンポ早い。渥美清の浅草芸を取り込むレンジの広さは見事だが、やはり彼の件は省いて、後半をたっぷり観せてほしかった。池内淳子の三味線を、せめてもう少し。
(評価:
)投票
このコメントを気に入った人達 (1 人) | [*] |
コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。