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[コメント] 男はつらいよ 花も嵐も寅次郎(1982/日)

★3に相応しい、面白い処もある普通の出来。善人の内田朝雄が味わい深く、寅がアパッチけんの測量技師と絡むギャグはシリーズのタイトルバック屈指の面白さ。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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「偶然」のお見合いの件が秀逸。爆笑があると同時に、女の前ではまともに話せないのは沢田研二も寅も同じだ、と判る仕掛けがある。寅の田中裕子に対する、惚れているから話せないの心情吐露にきれいに繋がり、内気な沢田研二は寅の二枚目版分身と判明する。これまでのシリーズ累積(特に同年の『あじさいの恋』)の応用編の趣がある。

なのに感動控え目なのは、ジュリーが一転甲斐性をみせる観覧車の件に至る決断のドラマが欠落しているためだろう。私としては、二枚目も振られて寅と並んで再び九州へ旅立つ、という収束も観たかった処で、「二枚目はいいなあ」なる寅の嘆きは実も蓋もないと思うけど。

それと、単に俳優が弱いため、というのもあるだろう。ジュリーは俳優としては気の毒なほど駄目だった。嫁と対比すると実によく判る。だいたい俳優の滑舌じゃない。水谷豊にでも演らせれば、全然違ったものになったはず。『太陽を盗んだ男』も『ときめきに死す』も同んなじで(以下略)。

(評価:★3)

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