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[コメント] 天空の蜂(2015/日)

松竹100年、こんな赤面するほどベタベタの家族愛(男女の愛ではない)を平気で全面展開するのは20世紀には類例がなく、21世紀映画の一大特徴と思われる。どうなっているのだろう。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







前半のヘリから高彦君救出作戦は映画はダサいが、いいナと思ったのはテレビ中継。自衛隊は国民の理解が得たいのなら、このくらいオープンにするべきだ。南スーダンもネット中継すればよい。なお、本作に自衛隊は協力していない由。冒頭、ヘリが易々と盗まれる間抜けさとか、犯人の綾野剛が元自衛隊なのも関連があるのだろう。ラストなんか自衛隊の宣伝みたいだけど。

原発はもんじゅとすぐ特定でき、あまつさえ敦賀と連呼されるが、格納容器内が安全という話はいまやリアルではなかろう。本木雅弘のプルサーマルの「判って貰えなくて結構、慣れていますから」なる投げやりな説明とか、労災の息子の写真とか、「原発必要よね、(暑くて)メークどろどろになっちゃう」と嘆く仲間由紀恵の仕方のない同僚、原発下請の安月給の揶揄などで、映画は原発にはやんわり批判的ではある。しかし一方、テロ騒ぎの最中にデモする反対派もいないだろうし、原発開発者の息子のイジメと自殺ってのも馴染めず、舌足らずな印象が残る。なお、本作の設定は95年、村山改造内閣の報道が冒頭流れているから、トンデモ大臣も自社さ政権の閣僚。

綾野剛のアパート脱出のアクションはちょっと面白かったが、ヘリはCGやり過ぎで詰まらないし、ヘリの字術的薀蓄は素人を面白がらせる技術がない。仲間を映画で始めて観たがメジャーの女優さんって感じ。ここではホイホイ自供して詰まらない役。劇伴の余りにもワンパターンなストリングスは使い回しなのだろうか。序盤のダメ親父ネタはいいのがあった。父「授業参観、行くよ」母「先月よ」。

(評価:★2)

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