[コメント] ハート・ロッカー(2008/米)
ケン・ローチの下ではあんなに生々しかったキャメラがチャラけたシニカル系エンタメに変貌するのは、監督が自覚なしに戦争を愉しんでいるからではないかと疑う。美点は断片的たらざるを得ないイラク人たちの描写。最悪の接触の記録集になっている。
冒頭の箴言は、自爆的な戦争の愉悦を批評した『フルメタル・ジャケット』にこそ相応しく、本作は足元にも及ばない。映画とは戦争を肯定してしまう厄介なメディアである、という認識が本作には欠けていると思う。
今度はイラク人を正面から描いていただきたい。もし本気なら。
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