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[コメント] ブルース・ブラザース(1980/米)

カー・クラッシュが延々続くと機械一般の誤作動による崩壊過程の類に見えると示した秀作。かつてのミニの女王ツイッギーのアバズレ振りも素晴らしい。
寒山拾得

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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刑務所を出てから刑務所に戻るまでの話だ。ここに自由の発露を見出すのは、いかにもアメリカらしい。しかし、かつてのニューシネマとは真逆なことに、法を超える生き様の背景に宗教が持ち出される。

「法の外で生きるには優しくなければならない」と、かのノーベル文学賞受賞者(辞退するのかな)はかつて歌ったものだが、彼も80年代以降は殆どキリスト教の伝道者になった(「スロー・トレイン・カミング」は1979年発表)。あの頃、アメリカは何かが変わったのだ。本作の、宗教的なアウトロー像が支持されたのも、1980年という年を象徴しているように思われる。

映画は面白い。泣きの件、たとえばブラザーズに感謝するシスターなどという説明をバッサリ外しているのがよく、通俗を脱してキートンの受難劇に近づけている。最高のギャグはやはり今わの際の「好きでした」だろう。撮影もいい。(出資はA級なのに)B級ドタバタに徹しているが、最後にふたりに大勢で銃を突きつけるカットなど、抜群の構図がある。演奏シーンはやはり「ミニ・ザ・ムーチャ」がショービズの栄光を記録して素晴らしい。ほか、カントリーの件などは爆笑ものだが、JBの教会などイマイチ、宙返りの連発など間延びしている。最初の商店街でのカーチェイスは、似たような事故が最近多いのであんまり楽しめなかった、とは分別臭いか。

(評価:★4)

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