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[コメント] あの手この手(1952/日)

コメディエンヌ久我美子の魅力炸裂の一篇。窓に鼻押しつけるキメのポーズは『また逢う日まで』の自己パロディなんだろう。
寒山

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

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夫婦関係改善の物語は同年の『お茶漬けの味』にも似ており、しかしそれほど冴えている訳でもなく、たくさんある大衆小説の切り口という印象で弱い(ラストでパロディが入るけど、これも何か唐突)。本作の価値は中盤かき回す久我に尽きる(以前の『三百六十五夜』でも、通俗なメロドラマに挟まれて凸ちゃんのブルジョア不良娘だけが際立っていたが、その繰り返しな具合)。

久我の一挙手一投足どれも麗しく、母親が死んだから孤児だとか、つられて久我の肩を持つ森雅之とか、二度繰り返される挨拶とか、「私失恋なんかしませんわ一生」とか、就職しない云い訳とか、水戸光子の投書回答の騙し打ちとか、一回だけ使う関西弁「ええ調子や」とか、どのギャグも冴えているし、教室の学生が全員窓の外の久我を見ているサイレントっぽいギャグ、唐突な字幕説明、ブチ割れる扉の硝子、堀雄二の編集長の三連続アップなど演出も愉しさ一杯。

市川=久我作品は、あの過激な『億万長者』に引き継がれる。そこでも久我は絶好調であり、返す返すも完成版にならなかったのが悔やまれる。

(評価:★4)

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