コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] 沈黙 -サイレンス-(2016/米)

いつか原作を読んでみたいと思ってましたが、宗教を理解してない自分がいきなり小説だとちんぷんかんぷんだろうと思うのでちょうど良かったかもしれません。
deenity

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
まだ映画を見ていない人がみると映画の面白さを損なうことがありますのでご注意下さい。







原作未読ですが遠藤周作の『沈黙』と言えばさすがに超有名所ですし、それを名監督マーティン・スコセッシがメガホン握るとなれば行くしかありません。 実際原作の情報としては「キリスト教布教活動が行われた歴史大作」ということぐらいしか知らなかったのですが、実際に日本史なんかで習ったような史実に基づいている部分も多く、踏み絵だとか鎖国だとかある程度知っているのでわかりやすかったです。

ただその反面、やはり本筋はキリスト教という宗教観がテーマであり、宗教というものを生まれてこの方ほとんど気にしたことがないような日本人には難しい部分も多かったと思いました。

信仰って感覚がないわけで、だからこそなぜ自分達の命を捨ててまで信仰を捨てられないかがわからない。自分がつらい時、悲しい時、神頼みしたくなる気持ちはわかるけど、乗り越えるのは神によってではなく自分の力によって乗り越えるのだろう。沈黙して見守ってくれて、それで何か違うのだろうか。神ってそういうものなのか。全知全能の神ならば、信仰だとか関係なく救いの手を差し伸べてあげるのが神じゃないのか。

宗教観が全くない自分にはやっぱり現実の史実映画として楽しむことはできたけど、たぶん本質の部分では理解できてないと思うし、だからこそ衝撃も浅かっただろうと思います。キリスト教を布教させようという気持ちはわかるが押し付けてはいけないと思うし、だからと言って日本もやりすぎ。結局感覚としては日本のやってることも価値観の押し付けなのだから。いくら思想の拡散を恐れたとしてもやりすぎだなって思う。結論その程度しかわからんのです。

でもその分演技を楽しむことができ、特に窪塚洋介がよかった。あの卑しい都合のいい何とも言えない弱々しい雰囲気をうまく醸し出していた。久々の窪塚洋介の演技を見るだけでも価値はある。

(評価:★3)

投票

このコメントを気に入った人達 (2 人)IN4MATION[*] おーい粗茶[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。