「これが国民的ヒーローの寅さん？めちゃめちゃ嫌な人じゃん」って、これが今日、生まれて初めて観た寅さんに、最初に持った感想。映画好きを自認するからには、やっぱり観ておかなくては、というくらいの軽い動機で選んだビデオ。

ワガママ、自分勝手、自己チュー、空気読めない、相手の気持ち考えない、そんな奴が何で何作もシリーズになるほどの人気なんだ？と、途中まで不思議だった。でも倍賞千恵子の結婚式で考えが変わってきた。まず大事なのは、前田吟の父親役を演じる志村喬の挨拶が素晴らしかった事。志村喬をやり込めてやると息巻いていた寅さんの態度が、父親らしい愛情溢れた挨拶を聞いて軟化したあたりで、彼は本当は人の心の分かる人なんだと確認できた次第。

時間が許す限り、公開順に観ていこうかと思っているが、どうなんでしょ、シリーズが進むにつれて、寅さんは丸くなっていくのでしょうか。私にはそんな気がするのだけれど。（変な例えだが、現在のサザエさんが、初期のサザエさんに比べて毒気が無くなっているのと同じような感じで）。