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[コメント] ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘(1966/日)

3.5。これはキートンなどを模範としたスラップスティック活劇として撮られているので楽しめる。逃げては隠れ、潜入して見つかっては逃げ、といったアクションの繰り返しで進行していくから映画になる。怪獣映画というのは出現した原因や倒すための兵器の仕組みといった説明を挿入せざるを得ないのが難点だが、本作は赤い竹という組織や、その幹部の連呼する「本部」について殆ど情報を出さないのもポイント高し。だが、
赤い戦車

**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。

これ以降の文章には映画の内容に関する重要な情報が書かれています。
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だが、本作はなまじ人間パートが面白いがために肝心の怪獣パートが一番つまらないという矛盾を抱え込んでしまっている。ゴジラが基地を踏みつけ、爆発の黒煙に塗れるショットなどかっこいいカットもいくつかあるが、怪鳥との戦いや海中でのエビラとの戦いで顕著なように、怪獣同士が肉薄すると、ブレた細かいカットの連続で誤魔化してしまう。これではやはりシーンとして盛り上がりようが無いのだ。スクリーンプロセスやモスラ、ペア・バンビと踊る群衆を1カット内に収めたクレーンショットなど見事な特撮も披露しているのだから、こういった戦闘シーンでも頑張ってほしかったところ。その観点から言えば、もっともよく出来ているのは戦闘機隊との交戦場面だ。また、島全体の爆破装置とゴジラとのクロスカッティングもうまく緊張感を創出できているとは思えない。

・一番面白かったのは、気球に引っかかった弟がモスラ前の儀式場に突如不時着し、兄と再会するところ。このいい加減さこそが映画の醍醐味であり、映画の原初的な楽しみなのだ。

(評価:★4)

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このコメントを気に入った人達 (1 人)Sigenoriyuki[*]

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