[コメント] ゾディアック(2007/米)
この時期(2008/06)に敢えて二度目の観賞。ゲロを吐くことになっても今見る価値はあるだろう。
**ネタバレ注意**
映画を見終った人むけのレビューです。
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めくりめく万華鏡。点が集まって面になるのをみるかのような気の遠くなる話。映像化したフィンチャーにしても、リアルのグレイスミスにしても、よくもここまでやったもんだなぁと改めて感心。
ナイフでカップルを惨殺するシーンには、やはりとても強い衝撃を受けた。冷静に、平然と会話を交わしながらもその直後には突如として凄惨な場面がもたらされ、現実とイメージの境界さえ破壊された思いだ。
「アキレスと亀」というお話がある。部分命題をいくら積み重ねても全称命題にはならない。要するに世の中で起きている現象は厳密に考えると決して構成できないなにか、ブラックボックスが含まれるということ。「ゾディアック」はまさに「アキレスと亀」だ。さらに、それは現実にも通じている。
猟奇事件が起きれば、当然さまざまな報道がなされるけれども、それで殺人鬼の動機が理解できるわけではない。ブラックボックスは依然として残されるのであって、むしろより鮮明に浮き上がるだろう。だからといってそれは無視できるものではなく、理解できないからこそ尚更に、目を逸らさずに見つめるべきなのだろう。
そして、忘れてはならないもう一つのブラックボックスがある。それは死者だ。
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