コメンテータ
ランキング
HELP

[コメント] バーン・アフター・リーディング(2008/米=英=仏)

全編アホっぽい雰囲気に包まれていて非常に面白く楽しかった。あえてブサイクな一般人に徹してる出演陣の器用さが見事だが、特にブラッド・ピットには脱帽。
サイモン64

2009.5.12。この日は有給取ってて、ナニを見るか考えていたが、とりあえず「鷹の爪団」の前説が見たいので TOHOシネマズ梅田に行き、『スラムドッグ・ミリオネア』の三回目はとりあえず飛ばして、未見のこの作品を選択。

そもそもジョージ・クルーニーブラッド・ピットの組み合わせは、味が濃すぎる感じがして、その上アンディ・ガルシアジュリア・ロバーツまで加わってた『オーシャンズ??』シリーズなんかはこってり料理の極みという感じで私にはイマイチだったため、この映画も見るかどうか迷っていたのだが、先入観とはうらはらに一転軽い味で楽しい映画だった。

この映画では登場人物全員が、病めるアメリカを象徴するキャラを演じ、そしてブサイクな一般人に徹していて、ここまでやらせる制作陣もすごいが、役者陣もすごいモンだと妙な感心をしてしまった。特にブラッド・ピットが『トロイ』や『バベル』で見せたシリアスな表情とは裏腹に、よくいるフィットネスクラブの軽い従業員を器用に演じていてびっくりした。iPod を聞きながらノリノリの振りを見せる姿はとりわけすばらしい。

実質10人しか出てないのに、この密度感はすごい。余談ながら豪華キャストを無駄に使い捨てるキリヤ監督には是非ともこういう映画から色々と学んで欲しいモンだと思うが多分無理だろうな。

急転直下で一気に進行する結末部分が面白い。いちいち事態を大げさに捉えて打ち合わせる CIAのマネージャー達がこれまた間抜けで楽しく、特にラストの会話は、筒井康隆のスラップスティックを思わせるような、あまりのアホらしさに思いっきり笑ってしまった。(おばさん比率の高い平日午前中の劇場内では何故か全然受けてなかった)

エンドロールで流れる The Fugs の "CIA MAN" も脱力感満点で最高で、早速 iTunes Music Store で購入に及んでしまった。

意外性の連続で非常に楽しい映画だ。

(評価:★5)

投票

このコメントを気に入った人達 (1 人)けにろん[*]

コメンテータ(コメントを公開している登録ユーザ)は他の人のコメントに投票ができます。なお、自分のものには投票できません。